2014年 09月 12日
10/4(土)映画一揆外伝 「行旅死亡人」×「第一アパート」“病人に見えるかしら”長宗我部 陽子 |
映画一揆外伝 第三弾「破れかぶれの嘘」井土紀州監督作品
「行旅死亡人」×「第一アパート」は10/4(土)16:00から!
「行旅死亡人」上映時、主演の長宗我部 陽子さんに書いて頂いたブログエッセイを再掲載!
第5部 病人に見えるかしら 長宗我部 陽子
7月30日は、本村さんと私が電話で会話するシーンからだった。
撮影は本村さんのみだが、私が受話器の向こうで会話を受ける。
私は、現場とは別室で受話器を持って待機。
現場でテストが始まった。
こちらにも合図がくる。
すると本村さんの声が聞こえてきた。
本村(史郎)「・・・・・・・・美奈子か?」
とたんにグッと熱いものがこみ上げる。
現場で本番の声がかかる。
本番でもさらに熱いものがこみ上げる。
撮影後、鼻をかんでいると、
「花粉症ですか?」
と聞かれた。
長「ん、ううん」
場所を移動し、病室のシーン。
唯一リハーサルを行ったシーン。
死期が近い人間を演じるのだが、それが難しかった。
健康でいることが、このときばかりは悩みの種。
ムムムム。
長「カメラマンの伊藤さんが、私を病人に見えるように撮ってくれますように(心の声)」
監督が、シーツからミサキに手を差し出すように指示する。
長「こういう感じですか?」
監督「違う」
手の動き一つ、難しい。
ムムムム。
控え室で美奈子の病気の話になった。
台本にはガンだとしか書かれていない。
「何ガンなんだろうね。」
病名は勝手に決めてあった。
こういうところから想像がふくらんだ。
第6部 信州へ
9月1日、この日は東京での撮影があり
夜に長野へ移動することになっていた。
私の出演シーンは、高田馬場駅前の
スナックで撮影が行われた。
このスナックは、沼口プロデューサーの行きつけらしい。
沼口さんや吉岡さん、監督がウイスキーを飲みながら
『行旅死亡人』の企画を誕生させたのもここだと聞いた。
声がかすれてセクシーな本物のママも出演している。
撮影はワンカットで終わった。
長野に3泊するため、出発前スタッフは積み込み等で慌ただしかったが
私はすることもなくて、ジャナ専のそばにあるスーパーでプラプラしていた。
わずか3泊の地方ロケだが忘れ物がないようにと
色々と詰め込み過ぎて、大荷物になっていた。
それでもまだ足りずそこで目薬と栄養補助食品を4日分買ってしまった。
吉岡「では出発します」
夜になると、キャラバンを組んで関越で長野へ向かった。
私は長野が好きで何度か遊びに行っている。
今回は遊びではないがそれでも何だかワクワクした。
途中、埼玉のどこかで花火大会があったらしく
遠くに打ち上げ花火が見えた。
そろそろ目的地に近くなったあたりで、休憩を取る。
黒い塊が目の前に広がる。浅間山が聳えていた。
タバコや缶コーヒーで本村さんと雑談していると監督に呼ばれる。
監督「お二人、ちょっと」
手招きされていってみると、一本の木を指差している。
監督「これ、胡桃の木」
二人「へええ、これが!」
私は生まれて初めてみる胡桃の木や葉を触りまくった。
美奈子と史郎が遭遇する出来事の中心となる胡桃。
長野に入ったとたんに胡桃の木に遭遇した私たちはなんだか不思議な縁を感じながら
胡桃の木の前で煙草の煙を吐いた。
続く
映画一揆外伝 第三弾「破れかぶれの嘘」
日時:2014年10月4日(土)
開場:15:30
開映:16:00「第一アパート」(デジタル版上映)
17:15「行旅死亡人」
トーク(予定)
場所: 人形町三日月座 BaseKOM
東京都中央区日本橋人形町1-15-5 柏原ビルB1F
東京メトロ地下鉄半蔵門線 水天宮前8番出口より徒歩1分
東京メトロ地下鉄日比谷線 人形町駅A2番出口より徒歩1分
料金: 当日のみ ¥1500
問い合わせ eigaikki@gmail.com
「行旅死亡人」×「第一アパート」は10/4(土)16:00から!
「行旅死亡人」上映時、主演の長宗我部 陽子さんに書いて頂いたブログエッセイを再掲載!
第5部 病人に見えるかしら 長宗我部 陽子
7月30日は、本村さんと私が電話で会話するシーンからだった。
撮影は本村さんのみだが、私が受話器の向こうで会話を受ける。
私は、現場とは別室で受話器を持って待機。
現場でテストが始まった。
こちらにも合図がくる。
すると本村さんの声が聞こえてきた。
本村(史郎)「・・・・・・・・美奈子か?」
とたんにグッと熱いものがこみ上げる。
現場で本番の声がかかる。
本番でもさらに熱いものがこみ上げる。
撮影後、鼻をかんでいると、
「花粉症ですか?」
と聞かれた。
長「ん、ううん」
場所を移動し、病室のシーン。
唯一リハーサルを行ったシーン。
死期が近い人間を演じるのだが、それが難しかった。
健康でいることが、このときばかりは悩みの種。
ムムムム。
長「カメラマンの伊藤さんが、私を病人に見えるように撮ってくれますように(心の声)」
監督が、シーツからミサキに手を差し出すように指示する。
長「こういう感じですか?」
監督「違う」
手の動き一つ、難しい。
ムムムム。
控え室で美奈子の病気の話になった。
台本にはガンだとしか書かれていない。
「何ガンなんだろうね。」
病名は勝手に決めてあった。
こういうところから想像がふくらんだ。
第6部 信州へ
9月1日、この日は東京での撮影があり
夜に長野へ移動することになっていた。
私の出演シーンは、高田馬場駅前の
スナックで撮影が行われた。
このスナックは、沼口プロデューサーの行きつけらしい。
沼口さんや吉岡さん、監督がウイスキーを飲みながら
『行旅死亡人』の企画を誕生させたのもここだと聞いた。
声がかすれてセクシーな本物のママも出演している。
撮影はワンカットで終わった。
長野に3泊するため、出発前スタッフは積み込み等で慌ただしかったが
私はすることもなくて、ジャナ専のそばにあるスーパーでプラプラしていた。
わずか3泊の地方ロケだが忘れ物がないようにと
色々と詰め込み過ぎて、大荷物になっていた。
それでもまだ足りずそこで目薬と栄養補助食品を4日分買ってしまった。
吉岡「では出発します」
夜になると、キャラバンを組んで関越で長野へ向かった。
私は長野が好きで何度か遊びに行っている。
今回は遊びではないがそれでも何だかワクワクした。
途中、埼玉のどこかで花火大会があったらしく
遠くに打ち上げ花火が見えた。
そろそろ目的地に近くなったあたりで、休憩を取る。
黒い塊が目の前に広がる。浅間山が聳えていた。
タバコや缶コーヒーで本村さんと雑談していると監督に呼ばれる。
監督「お二人、ちょっと」
手招きされていってみると、一本の木を指差している。
監督「これ、胡桃の木」
二人「へええ、これが!」
私は生まれて初めてみる胡桃の木や葉を触りまくった。
美奈子と史郎が遭遇する出来事の中心となる胡桃。
長野に入ったとたんに胡桃の木に遭遇した私たちはなんだか不思議な縁を感じながら
胡桃の木の前で煙草の煙を吐いた。
続く
映画一揆外伝 第三弾「破れかぶれの嘘」
日時:2014年10月4日(土)
開場:15:30
開映:16:00「第一アパート」(デジタル版上映)
17:15「行旅死亡人」
トーク(予定)
場所: 人形町三日月座 BaseKOM
東京都中央区日本橋人形町1-15-5 柏原ビルB1F
東京メトロ地下鉄半蔵門線 水天宮前8番出口より徒歩1分
東京メトロ地下鉄日比谷線 人形町駅A2番出口より徒歩1分
料金: 当日のみ ¥1500
問い合わせ eigaikki@gmail.com
by ikkigaiden
| 2014-09-12 17:32